狸谷不動院の初縁日 左京区一乗寺の山間にある狸谷不動院の初縁日が28日、営まれました。
 毎月28日が不動会で、1月は初不動。護摩の火で温められた直径10センチほどの太い青竹の筒に入った温かい酒(笹酒=特にガン封じになるとか)が参拝者に無料でふるまわれ、「狸谷飲み放題」と呼ばれて人気をあつめています。
 初不動は午前7時から始められ、地元を始め近畿各地からの参拝者でにぎわっていました。大阪高槻から来た女性は「病気はかなわんから、効くかどうかしらんけど、笹酒で無病息災です」と一口で飲んでしまいした。また地元から毎年参拝に来ているという夫婦は週3回も透析に通っていて、「大変だけど命はあってのことですので。でも、普段は元気でこんな坂のきついところにも来てます」と笑顔で話していました。
 当寺院は詩仙堂からさらに急な坂道を登り、両側には雪が積もっている250段もある石段を上り詰めたところにあります。大勢の人が列をつくって「こんな坂道あるいてたらガンもどこかへ飛んで行って、健康になるわ」と言いながらゆっくりと一歩一歩踏みしめていました。
 狸谷不動院は、平安京の北東で鬼門あたり、一切の悪魔を降伏させるという守護神として、タヌキ(咤怒鬼)不動明王を桓武天皇が祭祀したと伝えます。鎌倉時代は公家、殿上人などの貴族や一般庶民である都人の尊崇の的として、また修行場として栄えましたが、しだいに荒廃。明治後期に郷土有志らが再現を強く求め、大僧正を迎えて修検道大本山として再興されました。(仲野良典)