凶悪な「左鬼」を射る 京都・伏見御香宮神社
3日は旧暦で言えば1月1日で春を迎える文字通りの「立春」。その前日は節分。京都市の北東にある吉田神社、西南の壬生寺など各寺社は節分祭(追儺式とも)が営まれて鬼(邪気)を祓って新年の福を迎えて新年の五穀豊穣を祈念します。
伏見区の御香神社では旧暦1月最初の卯日にあたる5日に御弓始神事が営まれます。烏帽子(えぼし)に狩衣(かりぎぬ)姿の氏子代表2人が「左鬼」と呼ばれる裏書された文字の的を射って厄を祓います(写真)。「左鬼」について宮司の三木さんは「普通の鬼は豆で退散する優しい鬼やけれども、「左鬼」は邪悪で凶悪な鬼で、豆ではあきません、弓で射止めないとだめなんです」と説明しました。
氏子総代は10月に行われる当社の神幸祭まで勤めます。矢を弓につがえて射ますが、初心者でなかなか的に当たりません。参拝者からは、「的まで届かへん」、「あんなところに飛ばして」や「どこに飛ぶかわからん、危ない」などの声も飛び交います。何本か試してようやく的に命中すると、「当たった。見事見事!」と一同から大きな拍手が起こりました。(仲野良典)