茂山千之丞さんお別れ会 昨年12月に亡くなった大蔵流狂言師で演出家の茂山千之丞さんのお別れの会「そろりそろりの会」が5日、京都市左京区のみやこめっせで開かれ、能楽シテ方の片山幽雪さんや哲学者の梅原猛さん、京舞井上流家元の井上八千代さんら約600人が出席。会場には、好物の料理が並び、大好きだったミラーボールも設けられ、明るくにぎやかに故人にお別れを告げました。
 千之丞さんが好んだピンクやデニムの装いの出席者が多く、会場はお別れの会としては異例の華やかな雰囲気に包まれました。出席者は、笑顔の遺影がかけられた祭壇に次々と献花し、料理や音楽、大道芸、京舞、落語などを楽しみました。最後は全員で「上を向いて歩こう」を合唱しました。
 東京から駆けつけた和泉流狂言師の野村萬斎さんは、「狂言の近代化の道を開いた最大の功労者。権威に対して体を張り、一石を投じる勇気を持った方でした」と語りました。茂山家の次代を担うひとり、孫の茂山童司さんは、「おじいさんは(能楽協会を)除名寸前になるまでいろんなことに挑戦しました。僕もラディカルにやっていきたい」と言い、茂山あきらさんは「古典だからといってショーケースに入れるのではなく、常に生きた芝居を目指した姿勢を受け継いでいきたい。そして、いい意味で“世間を騒がせる”存在でありたい」と話していました。
 日本共産党の穀田恵二衆院議員、井上哲士参院議員が出席しました。