日本共産党粘り強く要求 鳥獣対策の強化 コメの価格保障を

 米価暴落、鳥獣被害、TPP(環太平洋連携協)参加問題など、日本の農業は深刻な危機に直面しています。府内の日本共産党の各議員団は、苦しむ農家の実態をつかみ、農業・農村を守り、再生するために奮闘してきました。

暴落に悲鳴し 助けてほしい

 一昨年と比べ、2~3割も下がった昨年の米価。民主党政権は米価を支えるための政府買入れを実施せず、暴落を放置し続けました。農家からは悲鳴が上がっています。
 「価格保障と所得保償の抜本的充」(「農業再生プラン」2008年3月)を政策に掲げる日本共産党は、府会議員団(新井進団長、11人)を先頭に各地の農家へ出向いて実情を聞き取り、府や各自治体、近畿農政局に米価の保障制度を要求し、実現へ全力をあげてきました。
 現在、府内で米価への補助制度が京田辺市と京丹後市、久御山町で実施されています。久御山町では、昨年12月、コメ30キロあたり500円の補助制度を創設しました。日本共産党町議団が繰り返し求めてきたもの。
 09年3月議会では、党の巽悦子町議が米価の下落の実情を指摘し、「コメ生産者への町独自の支援策を行うべき。コメ30キロあたり、500円の補助を」と追及し、215万円あれば実現できることを町に明言させました。
 「コメの値段が下がった上に、一等米も激減しました。500円の補助でも助かります」
 こう話すのは同町の農家、内田伸男さん(62)。内田さんは約3ヘクタールの田畑を耕作していますが、前年は約7500円だった米価(30キロあたり)が、昨年は6000円に値下がりしました。猛暑の影響などで一等米の収穫が激減したため価格は5000円台まで落ち込みました。
 「今ではコメを作れば作るほど赤字になる状態です。共産党の議員さんが言うように、コメの価格保障を実現してもらうなどして、農業を助けてほしい」 昨年12月議会では同党の三宅美子議員が補助金の増額を求めました。
 京田辺市でも同党市議団の要求で、09年から一等米に対して30キロあたり500円の補助制度が実現しています。

猟友会員以外も駆除認める

 シカ、サル、クマ、イノシシなどが田畑を荒らし、各地で鳥獣による農作物への被害が大きな問題になっています。日本共産党は、実情を調査し、議会や行政へ対策を求めてきました。
 綾部市では、同党議員団が何度も鳥獣被害問題を取り上げて、追及。昨年12月議会では、同党の吉崎久議員が「市独自で鳥獣の実態をつかみ、調査すべき。市として鳥獣対策の強化を」と求めたことに市は実施を約束。実態に即した鳥獣保護管理計画の策定や、猟銃への補助金(15万円)を支出することが決まりました。
 福知山市では、同党の中島英俊市議が猟友会の会員以外は鳥獣駆除できない状況になっている問題を取り上げ、一昨年3月に環境省から都道府県に「猟友会会員以外も資格のある人には駆除を認めよ」「囲いワナは法定猟具ではないので免許がなくても可」との通達が出ていることを指摘し、改善を求めました。その結果、同市ではベテランの狩猟者なども自分の住む地域での狩猟が認可され、免許を持たない農家も狩猟期に囲いワナでの捕獲ができるようになりました。また、同党府議団と連携して調査を実施し、さこ祐仁府議が昨年9月議会代表質問で福知山の実態を取り上げ、「緊急対策の一層の拡充と対策拠点
の整備に取り組むべき」求めました。
 府は、10年度の鳥獣害対策予算を当初予算から1億5700万円補正で追加し、シカの狩猟期間の1カ月間延長、専任研究員の1名増加、被害対策マニュアルの整備などを行うことを決めました。
 また、TPP参加問題でもいち早く「農業も国も破壊するもの」と論戦を繰り広げ、府内7自治体(宇治市、向日市、長岡京市、南丹市、舞鶴市、京丹波町、和束町)でTPP反対の意見書や請願が可決・採択されました。(「週刊しんぶん京都民報」2011年1月30日付