京都市民不在で岡崎開発やめて 市民団体がシンポ
京都市が左京区岡崎地域で進める「総合特区」開発と京都会館再整備の2つの計画をテーマにしたシンポジウムが18日、同区の京都教育文化センターで開かれ、市民ら41人が参加しました。「京都・まちづくり市民会議」が主催したものです。
パネリストは、住民団体「岡崎公園と疏水を考える会」の村瀬隆也・事務局長と本多昭一・京都府立大学名誉教授。
村瀬氏は、市の諮問機関として設置された「岡崎地域活性化検討委員会」(委員長=門内輝行・京都大学教授)が発表(3月)した答申を批判し、「京都会館に飲食店などの商業施設を誘致するプランとなっているが、住民は箱物建設を望んでいない。市は今の環境を保全すべきだ」と訴えました。その上で、「多く市民に『会』に参加してもらい、運動を広げていきたい」と呼びかけました。
本多氏は、京都会館再整備計画案(発表1月)が、第一ホールの舞台面積を拡張し、建物の高さや奥行きを変えようとしていることを批判し、「京都会館は、東山を借景に取り込み、景観に配慮した建物で、その後の国内の建築物の指針となった。計画案は、建物の最もすぐれた点を壊してしまう」と指摘。また、「市民不在で市は計画を進めようとしている。市民がはっきりとした意見を示すべきだ」と述べました。
随筆家で岡崎地域に住む松本章男氏が特別発言し、「岡崎は、古来白河と呼ばれ多くの和歌に詠まれてきた。市は商業、経済ばかりを優先するのではなく、文化を大事にすべきだ。白河、岡崎の環境を大事にしてほしい」と訴えました。