侵略戦争を美化する立場の2種類の教科書が検定合格(今年3月)したことを受けて、同教科書の採択を阻止しようと呼びかける学習のつどいが4月24日、京都市左京区の京都教育文化センターで開かれました。市民や研究者でつくる「京都 子どもと教科書を考える連絡会」が主催したものです。
 「子どもと教科書全国ネット21」の俵義文事務局長が講演し、合格した「自由社」と「育鵬社」の中学校用の歴史と公民の教科書について、▽日本の侵略戦争・植民地支配を正当化▽天皇と支配中心の歴史を描く▽憲法の3原則よりも天皇と国家の優先する―など「歴史をわい曲し、憲法を敵視するもの」と厳しく批判しました。
 その上で「同教科書を出版した団体や自民党の政治家が、8月までに行われる教科書採択に向け、全国縦断講演会の開催や地方議会、教育委員会に働きかけを行っている」と指摘し、「危険な教科書を採択させないためには、世論を強める以外にない」と訴えました。
 「教科書京都ネット21」の大八木賢治氏は、府、京都市の両教育委員会に対して、教科書選定にあたって配慮すべきこととして▽平和と人権尊重▽近隣諸国の歴史文化への理解▽市民、研究者、教員、保護者の意見の反映ーなどを求める要望書を提出(4月)したことを報告し、運動強化を呼びかけました。