戦跡めぐり交流会 立命館大学平和ミュージアムのボランティアガイドでつくる「平和友の会」は15日、新緑の嵯峨嵐山を戦争遺跡に平和を学ぶ京都の会の足立やす子さんの案内で、嵯峨の常寂光寺、渡月橋わきの露営の歌の石碑、中之島公園内の日中不再戦の碑をめぐりました。
 常寂光寺には、戦争のために独身を余議なくされた女性たちの反戦の意を込めた、石碑があります。アジア太平洋戦争で若者たちの多くは帰ってこなかったので、敗戦のころ適齢期だった女性たちの中には、生涯独身だった人々が多くいました。
 戦後30年が過ぎたころ、平和を願う気持ちと、同じ境遇の仲間と一緒に眠りたいと、合祀墓が建てられました。その後、独身女性のほか独身男性、子どものいない夫婦なども受け入れるようになり今日に至っています。
 元住職の永野さんに納骨堂の「志縁廟」を案内していただきました。生前の宗教も関係なく位牌が並んでいました。戒名だけでなく、生前の名前そのままの位牌もあり、1人ひとりの思いが伝わる感じがしました。
 『家』にこだわらないで故人を偲ぶ場所として、ここは日本全国から納骨に来られると説明がありました。
 戦争のために1人きりのまま、人生を終えた方々の思いが、今の納骨堂のもとになっているのに、複雑な思いがしました。(片山一美)