改選後初の京都市議会5月定例会が30日閉会し、同日、日本共産党京都市会議員団(山中渡団長、15人)は、「声明 5月定例市会を終えて」を発表しました。以下、その全文を発表します。


 1.本日、市会議員選挙後初めての定例会が閉会しました。一般会計補正予算、国民健康保険事業特別会計の繰上げ充用など38件の議案を可決し閉会しました。日本共産党市会議員団は、中小企業への新たな融資制度や被災者支援となる一般会計補正予算、被災者の雇用も盛り込んだ雇用対策事業特別会計補正予算や人事案件など35件には賛成し、地方独立行政法人市立病院機構の中期計画については、承認しませんでした。自民、民主・都みらい、公明、京都党、無所属2名は市長提案の全ての議案に賛成しました。
 1.東日本大震災の復旧・復興、福島第一原発事故の深刻な事態が続く中で開催された今議会は、災害に強いまちづくりが大きな焦点となりました。日本共産党議員団は、代表質問で福井原発の危険性を浮き彫りにし、安全神話からの脱却、原発事故を想定した京都市防災計画の見直し、京都市地球温暖化防止計画の原発依存からの転換を求めました。市長は、防災対策の総点検は「想定外の事態を念頭において検証するよう指示した」、「琵琶湖からの水道水について放射能測定を毎日実施している」、「滋賀県との連携の在り方も検討する」と答弁しました。しかし、市長は、記者会見で「原子力発電所による放射能の問題について、京都市域にはあまり影響がない」との認識を示していたように、本会議でも安全神話の崩壊、原発の運転再開中止の認識、原発依存からの脱却など本質的な問題についての答弁を避けました。また消防職員の削減方針は、「他都市と比べて多い」と改めて撤回する意思のないことを示しました。
 住宅の耐震改修助成は「踏み込んだ拡充」をするとの考えを示しました。党議員団は引き続き、具体的な提案を行い、災害に強い京都市を実現するために全力を尽くします。
 1.国民健康保険会計では2010年度の決算で12億円の単年度黒字となる見通しです。3年連続の単年度黒字分は37億円となるもので、党議員は、高すぎる国保料の値下げにこそ回すべきと求めました。単年度赤字を避けるためと値上げし、黒字が出れば全て累積赤字の解消に回すやり方は到底市民の理解を得られません。資格証明書の発行や子どもの学資保険の差し押さえは「やむを得ない」と、見直しを拒否しました。市長は、財政構造改革有識者会議の提言を受けて、いっそうの福祉切り捨てを進めようとしています。こうした中、子どもの医療費助成制度について「引き続き前向きな検討を進めていきたい」との答弁を引き出したことは、重要です。党議員団は地方自治体本来の役割を発揮するよう、議会内外での取り組みを強めていく決意です。
 また、会期中に京都会館第一ホールの全面建て替え案を公表しました。市民と議会には、増改築案だけを示し、命名権を取得したローム株式会社にはこれとは別の建て替え案を提案していたことが明らかになりました。この間、トラブルを繰り返し、ムダな公共事業として運転中止を求めてきた焼却灰溶融施設の試運転を5月20日に再開しましたが、強く抗議するものです。
 1.選挙後の新たな議会構成で、日本共産党は引き続き市会第二党を確保し、経済総務委員会委員長や市会運営委員会副委員長など、議会役職を確保しました。正副議長等の議会三役の選出にあたって、党議員団は市会第二党の日本共産党を副議長にするのが憲政の常道だと申し入れを行いましたが、自民、民主・都みらい、公明、京都党は、与党会派の三役独占を強行しました。改めて京都党がオール与党の一員であることが明らかになりました。日本共産党議員団は、民意を踏みにじる議会役職人事に強く抗議するものです。
 1.議会改革では、議員報酬の1割削減、費用弁償(日当)の廃止に伴う額を、復興財源にあてる予算の修正を全会一致で行いました。新たに市会改革推進委員会を設置し、初めて公開することになりました。党議員団は、市民に開かれた議会、民主的な議会運営、さらなる議員報酬の削減など、いっそう市民に役立つ議会改革の前進へと頑張ります。
 意見書では、「震災からの復興に向けた第二次補正予算の早期編成を求める意見書」などを可決しました。
 1.東日本大震災、原発事故と国難の中、国政は混迷を深めるばかりです。党議員団は全国のみなさんと力を合わせ、被災地の一刻も早い復旧、復興へ、原発事故の収束と安全最優先へと全力を挙げる決意です。同時に、原発ゼロをめざす運動を大きく広げ、政府のエネルギー政策の転換を求めて奮闘します。
 来年2月には、京都市長選挙がたたかわれます。党議員団は市民の福祉を向上させ、災害に強いまちづくりへ、市政の転換めざし住民のみなさんと力を合わせてがんばります。