アジサイ 京都御苑には約5万本の樹木と500種の草木が四季折々の風情を醸し出します。6月の梅雨時、御苑の南端にある捨翠亭(しゅうすいてい)前にはアジサイが小雨の中に純白の萼(がく)片をつけて見事に咲いています。
 大きな丸い西洋アジサイでなく、純和風の可憐なガクアジサイで、花弁状の萼片はエゾアジサイのように凹凸がある珍しいアジサイ(ヤマアジサイやベニガクの変種かもしれません)で、バックの捨翠亭にとても似合いこころも純白になりそうです。
 捨翠亭は五摂家の一つ、九条家の現存する唯一の建物で、江戸後期に建てられた数寄屋風の書院造りになっており茶会のなどに使用されていました。東山を借景にした勾玉形の池が広がる景色は京の品格を漂わせています。(仲野良典)
(アジサイは無料でいつも見られますが亭の参観は毎週金・土曜日/9:30~15:30/茶会は毎日/申込み・問合せ先=京都御苑保存会℡075-211-6264) 
 「紫陽花や都を雨の木の間より」(士朗)