ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の実現を
「今こそディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の実現を」をスローガンに25、26の両日、京都市中京区で「働き方を見直す京都集会」(実行委員会主催)が開かれ、のべ200人が参加しました。
25日の全体会で実行委員会を代表して京都職対連の池田和弘会長が、「東日本大震災と原発事故は、大量生産・大量消費・労働者が24時間は働かされる、という従来の日本社会の在り方を変えるものになるのではないか。この集会を機に考えよう」とあいさつしました。
基調報告を岩橋祐治実行委員長(京都総評議長)が行い、今後10年間でILOが提唱する“21世紀の世界の労働者の働き方”であるディーセント・ワーク実現に向け本格的な取り組みを開始しようと呼びかけました。
都留民子県立広島大学教授が「労働者たちはどのように生きるのか 人間の生活を取り戻すために」と題して講演。今だに避難所暮らしが10万人を超えている被災地の深刻な実態について、「生活がまったく保障されていない被災者は日本国民の象徴のようです。被災地の公営住宅建設を最優先にし、被災者全員に生活保護を無条件支給すべき。その財源には大企業の内部留保や国内の政府の余剰金を合わせて約500兆円がある。それをあてるべきだ」と強調しました。
また、ヨーロッパでは労働者の生活を保護する社会保障制度が充実しており、フランスでは労働時間が週35時間で医療費も教育費も無料の上、失業保険は50歳以上で3年間支給されていることなどを紹介。「労働者は企業から独立することを考えてほしい。医療や住宅は国の制度として保障され、失業しても安心して暮らせる社会を作っていかなければいけない」と述べました。
アスベスト国賠裁判、ジヤトコ事件裁判の取り組みなどが報告されました。
26日には職場のメンタルヘルス、長時間・深夜労働を考えるなど5分科会で熱心な討論が行われました。