大逆事件講演会 明治天皇暗殺を計画したとして幸徳秋水ら12人が死刑となった大逆事件(1910、11年)から100年を記念した講演会が25日、南丹市園部町で行われました。主催は憲法9条そのべの会。
 元須知高校教諭の奥村正男氏が講演し、同事件の裁判の問題点を解説。奥村氏は裁判は非公開で行われ、被告側証人は認められず、現場検証も行われなかったうえに、大審院(現・最高裁)一審のみで刑が確定した、などの問題点をあげました。そして裁判の経過を通じて同事件が「自由、平等、非戦という先駆的思想に対する弾圧だった」と主張しました。
 また、奥村氏は旧丹波町の素封家で初代須知町長を務めた岩崎革也氏が、幸徳秋水らと親交を持ち、「平民新聞」発行に700円(現在の約700万円)を寄付し、堺利彦が行った事件遺族の慰問旅行の資金を提供するなど財政的に支援したことを紹介しました。
 参加者から、「丹波に育ったものだが、岩崎さんのことは初めて知った」「生家の保存や、業績の顕彰など何か運動はできないのか」などの声が出されました。