早期復興願う短冊 高台寺七夕会
7月7日は小暑で七夕。京の町並みにもあちらこちらの軒下に七夕笹が飾られています。北野天満宮や東山の地主神社、長岡京の長岡天神や上京の白峯神社など各寺社も七夕祭が営まれます。東山区の高台寺の七夕会(たなばたえ)は一足早く2、3の両日行われ、裏山から切り出した20数本の大きな竹に近隣の幼稚園や保育園児達や親御さんの願いを綴った短冊がたくさん風にそよいでいます。
園児らがたどたどしい文字で「じっけんはかせになる」、「しょべるかーのうんてんしゅになりたい」、「おいしいものがいっぱいたべたい」「さっかーせんしゅになる」などとしたためた短冊や保護者の「東山のナラの枯れがこれ以上広がりませんように」や「地震で被害を受けたこどもたちが一刻も早くいつもの生活を過ごせ、幸せになれますように」、「地震で被害を受けた沢山の人達が少しでも早く、また、夢をおいかける普通の生活に戻れますように」など被災者への心遣いが伝わる短冊がたくさんありました。
高台寺は臨済宗建仁寺派の寺で、豊臣秀吉の妻、北政所(きたのまんどころ=ねね・高台院)、秀吉の菩提を弔(智羅)うために徳川家康の援助を受けて関ヶ原の闘いから6年後の1606年に創建された寺院。重要文化財の建物や数々の蒔絵、小堀遠州作の庭園、ねねの墓所(霊屋)など数多くの文化財があります。また清水寺から三年坂を経て祇園八坂神社にいたる観光のメッカで大勢の観光客が訪れてしばし笹に吊るされた短冊に目をやっていました。(仲野良典)