文殊堂の蓮 日本三景の1つ、天橋立と一体となっている宮津市の智恩寺文殊堂前庭の小さな蓮池で、蓮の花が浮かび上がっています。ピンクの蓮(ハス=原産インドで根茎はレンコン。和名は果実の花床がハチの巣に似ていることから蜂巣)の花が咲いています。猛暑にかかわらず堂前の大きな焼香鉢にはたくさんの信者が立てた線香の煙が立ちこめています。
 臨済宗妙心寺派の同寺の「知恵の文殊」は日本三文殊(奈良県桜井市阿部院・京都市左京区金戒光明寺)の1つで、全長3.6キロの国指定の特別名勝「天橋立」の一部になっています。室町時代に創建された文殊堂には騎獅文殊菩薩座像が如意も持って獅子の上の蓮華座上に安座しています。その蓮華にちなんでいつしか文殊堂と多宝塔の間に小さな蓮池がつくられたのでしょう。(仲野良典)