ヒグラシ 伏見区中書島界隈を流れる宇治川派流両岸の桜や楓の並木では、ヒグラシの大合唱が一日続いています。
 宇治川派流は、観月橋(豊後橋)から入り込み南浜、西浜や北浜など荷揚げ場を通過し、伏見城外堀(濠川)や東高瀬川と合流して伏見港から再び宇治川に流れ込む川で、観光船の十石舟が行き来しています。
 7月中旬頃からヒグラシ(蜩・茅蜩=カメムシ目セミ科)が鳴き始め、下旬になった今日は蝉時雨というよりも「カナカナカナ」と時折の「ジージージー」のアブラゼミとの混成大合唱です。写真は月桂冠の大倉酒造の酒蔵が建ち並ぶ弁天浜にある長建寺の境内の桜や楓の木々に止まって大きな声で大合唱するヒグラシの大群です。
 長建寺は、真言宗醍醐派に属し鎌倉時代後期に創作された弁財天を本尊として「弁天さん」と地元で親しまれています。境内には伏見名水や千年前のおみくじ元本などがあります。弁天浜界隈は映画のロケーションにもよく使われ、新京都百景の一つに選ばれています。(仲野良典)
「閑かさや岩にしみ入蝉の声」