京都平和の集い 広島に原爆が投下された6日午前8時15分、京都市左京区の壇王法林寺で、第53回原爆犠牲者・世界の戦争犠牲者を追悼する「京都平和の集い」が行われ、仏教やキリスト教、金光教の宗教者と市民ら43人が手を合わせて祈りを捧げました。
 京都宗教者平和協議会の宮城泰年理事長があいさつに立ち、「大地震、原発事故が起こり、平安の心がいかに長続きしないかと身を持って知った。利便性を追求し経済性を優先させる生活に満足していていいのか深く思い起こす時ではないか。多くの被災者たちはまだ夢から目覚めきれない現実がある。平安の心を取り戻すため、平和の世の中を求めるだけでなく、行動していかなければならない」と述べました。
 平和の鐘が鳴る中、参加者全員で手を合わせ、読経が流れる中で焼香しました。
 有機野菜農家で反原発運動全国連絡会の佐伯昌和世話人が「放射能汚染と原発なき社会への道標」と題して話しました。佐伯氏は放射性セシウムによる肉牛の汚染が稲わら、牧草、牛ふんなどを通じて、広がっていく放射能汚染サイクルの危険性を指摘し、「高汚染地帯の住民に深刻な状況を説明し、補償とともに一日も早く安全な地域へ移住させ、立ち入り禁止区域を設定すべきだ」と主張。日本では食品のセシウム暫定基準値が野菜で1キロあたり500ベクレルなのに対し、ウクライナでは40と説明し、「セシウムは筋肉や心臓にたまりやすい。影響の大きい子どもたちのことを考えると、日本は基準値を下げるべきだ」と話しました。
 佐伯氏は、原発事故後、脱原発が世論になりつつあるとして「遅れているのは政治と財界で、電力会社の独占を見直し、エネルギーのあり方をみなおしてはどうか。原発問題は生命の問題です」と述べました。