日本共産党「原発講演会」─主な質疑・回答（３）

原発労働者の被ばくは？

　質問　福島の原発労働者の被ばく状況は？
　笠井　事故の収束のために頑張っている、社員・作業員の方がたくさんいます。雑魚寝みたいなところで寝泊りしながら、食べ物もまともにない、まともな労働環境でない中でやってこられたことに敬意を表します。
　許せないのは、東電がそうした最前線でがんばる労働者にしっかり労働環境、放射能の対策をとらず、汚染水につかったり放射能を浴びたりさせていることです。人間扱いしない働かせ方に怒りを感じます。
　「一人ひとりの作業員の被ばく量を調べる」と、政府が国会答弁しました。これに東電はあわてて確認を始めました。ところが、かなりの人数が名前も、どこにいるかも分からない、ということでした。どういう扱いで働かせたのか。私たちも国会で政府にこんなことをやっていいのかと追及しています。
　健康と労働条件を守り、命守るために、みなさんと力を合わせて取り組んでいきます。

府防災計画への提案は？

　質問　共産党は京都府の防災計画にどんな提案をしているのか？
　前窪　府の防災計画は、高速増殖炉「もんじゅ」を対象にしていないという問題があります。もんじゅはＭＯＸ燃料を使う非常に危険なものです。一般の原発でも技術が未完成ですが、高速増殖炉はより危険です。実は事故が相次いでいるため、91年に運転開始してから１回も電力を送っていません。
　府の避難計画は10キロ圏内に設定されていました。これが今度20キロ圏内にされました。高浜原発だけ対象でしたが、大飯原発も対象に入りました。
　府は大飯原発についても意見を述べようと計画を見直しています。これは私たちも求めてきたことです。府に対し、美浜、敦賀、もんじゅについても防災計画に位置づけるべきと要求してきました。今後も力を尽くしたいと思います。（「週刊しんぶん京都民報」2011年７月24日付）