東京電力福島第1原子力発電所の事故を受け、日本共産党は、「政府は、原発からの撤退を決断し、原発をゼロにする期限を決めたプログラムの策定を」と提唱、国民的運動を呼びかけています。原発問題、エネルギー政策についての府民各層の主張・提言をシリーズで紹介します。

原発ない社会こそ

 ソロで音楽活動をしており、東日本大震災のチャリティーライブなどを開いてきました。原発、核というものは人間にとって脅威であり、原発はなくしてほしいと考えています。
 数年前まで高浜原発や大飯原発で働いていました。定期点検中の原子炉建屋の中で、配管の整備の仕事などをしていました。放射線管理手帳を渡され、自分の放射線量を計りながらの仕事です。放射線に反応する小さな線量計を体につけていますが、「ピー、ピー」と鳴ることはしょっちゅうあり、その度に体に異変が起こらないか不安がよぎりました。
 福島原発事故で放出された放射能はとんでもない量です。元原発労働者として、日常生活で年間1ミリシーベルト以上被ばくするなんて信じられません。あらためて原発事故の恐ろしさを感じました。政府は基準をはっきりさせ、命と健康を守るための対応をすべきです。原発で働いてきたので、原発労働者の気持ちもよく分かります。舞鶴や府北部、福井県では仕事も少なく、働いている人にとって必要な産業です。
 原発に反対する気持ちも、賛成する気持ちも分かります。私の思いはそうした人たちが対立せず、協力しあってほしいという人間主義の立場です。誰もが共感できるような一致点を持って、原発のない社会へ進んでいってほしいと願っています。
 例えば、舞鶴の豊かな自然を使って、これだけの自然エネルギーを生み出し、仕事・産業が生まれることなどを具体的に示してほしい。原発労働者の方とも共同できるような取り組みを広げてほしいと思っています。(「週刊しんぶん京都民報」2011年9月25日付掲載)
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