救援医療活動報告会 京都大学医学部付属病院から東日本大震災の被災地へ派遣された医師らによる救援医療活動の報告会が9月30日、京都市左京区の同大学の時計台記念館で行われ、学生や市民ら100人が参加しました。
 現地での医療活動を検証するとともに、災害医療につながる課題を明らかにしようと企画されたものです。坂田隆造副病院長がこれまでに被災地へ22チーム、56人を派遣した概要をのべ、今後も10月末から来年3月末まで、医師派遣を予定していることも紹介しました。会場では、医師や学生ら7人が報告しました。
 DMAT(災害急性期医療チーム)の隊長として支援活動に入った医師は、死因の多くが溺死で、搬送した多くの患者が持病の悪化だったと指摘。陸路が地震・津波で確保できない中で、空路による搬送システム確立の必要性を強調しました。また、検死医は、体育館などでの検死作業の内容とともに、作業を支える後方支援の充実を訴えました。デイ・ケア診療部の講師は、被災者だけでなく市役所職員や現地の病院スタッフらのストレスアの重要性などを述べました。
 特別講演として救急部の小池薫教授が「福島第一原子力発電所の事故を踏まえた今後の緊急被ばく医療」と題して講演。同原発の敷地内にある救急医療室で3月、9月の2回にわたって診察を行った経験をのべ、今後も引き続き支援の必要性を述べました。