京都自治体学校 自治体問題研究所や京都自治労連などの実行委員会による「京都自治体学校」が12、13の両日、京都市中京区で開かれました。12日には立命館大学の大島堅一教授が原発問題について講演しました。
 大島氏は、原発のコストについて、発電や環境対策、建設政策、安全対策などのコストは、すべて事業者でなく電気料金や税金などで国民負担になっていることを示し、「原発は安いと言うのは社会的コストを含まない考え方だ。国民にとっては原発コストは全エネルギー中、最も高い」と指摘しました。
 またすべての原発を停止させた場合の電力供給について、発電量では1986年当時と同じ数値になると指摘。「電力会社が地方に分割され、電力を融通しない体制にあることが問題。原発をゼロにし、再生可能エネルギーを普及させ、固定価格買取制、発送電分離を進めることが必要」と訴えました。
 また福井県小浜市で脱原発を訴える明通寺の中嶌哲演住職が特別報告。「原発の集中立地は差別と犠牲の上に成り立っている」とのべ、雇用のない地域に原発開発計画がもちこまれ、交付金をばらまいて強行された歴史を紹介。「原発に頼らない若狭地方をつくるため、『脱原発地域支援臨時措置法(仮)』などを制定し、財政、経済とともに再生していく運動をしよう」と呼びかけました。
 13日には「子ども子育て新システムと自治体の保育政策を考える」「『社会保障改革』と自治体のあり方を考える」など5つの課題別教室が開かれました。