多田悦子さん講演 世界ボクシング協会(WBA)女子ミニマム級王座保持者の多田悦子さん(30)=京都市在住=自身のボクシング人生を語る講演会(府立鴨沂高校定時制主催)が、26日京都市上京区の同校で行われ、生徒や教職員200人余が参加しました。
 多田さんは兵庫県の西宮西高校(現・兵庫県立西宮香風高校定時制)出身。けんかっ早い性格から「女けんか番長」と呼ばれました。男子相手の殴り合いもしていると知ったボクシング部顧問の脇浜義明教諭から、競技への参加を勧められました。「ようするにけんかやろ」と出た初試合で負けたことに発奮し、08年にアマチュアからプロに転向。「1番になりたい」とボクシングへのめり込んで行った経過や脇浜先生の生徒への深い思いに応えたいとだんだん気持ちが変わって行った体験などを語りました。
 「自分が何か一生懸命にできることを見つけてほしい。人と人の関わりやつながりの中で必ずチャンスはある。すぐ横にあるチャンスを見つけられるかどうかやと思う。無理やない、絶対できる。言葉に出してやりたいことに挑戦してほしい」と熱く語りかけました。 
 また、自身のシューズの中に「ついてる ついてる」と書いた紙を入れていることも明かし、「悩む時は思い切り悩んだらいい。どんな人も必ず変われる。私もこんな場所でみんな話せる自分がうれしい。みんなありがとう」と述べると、大きな拍手が起こりました。
 講演後、舞台上で二十数人の生徒がミット打ちやファイティングポーズに挑戦。加藤亜美さん(16)は「すごく勇気づけられた。私も負けず嫌いなんで、やりたいこと見つけて必ず実現させたい」と目を輝かせていました。