京都POSSE 若者の労働相談に取り組む、20代の大学生や青年労働者らでつくるNPO「京都POSSE(ポッセ)」は27日、京都市中京区のウイングス京都で、「ブラック企業」問題についてのシンポジウムを開きました。学生や市民など約50人が参加しました。
 「ブラック企業」とは、サービス残業やパワハラなど違法な働かせ方や労働環境を強いる企業のこと。シンポジウムでは同NPOの川村遼平事務局長と渡辺輝人弁護士(京都第一法律事務所)がパネラーを務めました。
 川村事務局長はブラック企業について、▽入社後も「試用期間」などと称して会社側に認められなければ解雇する圧力をかける「選択排除型」▽長時間労働を強いて、体調を崩すまで辞めさせない「消耗使用型」▽職場の秩序がまったくなくなり、労働者を精神的に追い詰める「秩序崩壊型」─の3パターンになると相談事例を示して紹介。「違法な解雇やサービス残業などを強いて、うつ病などになるまで働かせて使い捨てるのがブラック企業。『我慢して会社に従えば出世できる』というこれまでの日本型雇用と違い、短期で使い捨てて労働者を裏切っている」と指摘しました。
 また、ブラック企業は4年生私大や国立大学卒業者でも入社しているとのべ、「誰にでも関わる起こりえる問題。あきらめず、おかしい・つらいと思ったらすぐ専門家に相談してほしい」と訴えました。
 渡辺弁護士は、商品や経営の改善などのイノベーションがないのに成長している企業は、人件費や消費者の安全などを削減してもうけるしかないとのべ、「ブラック企業は珍しい存在ではない。労働時間や不当な発言などを記録し、契約や就業規則などを保管してつねに身を守ることが大事。何より労働者の団結が力になるので労組を頼りにしてほしい」と強調しました。