京都マラソン署名回覧は選挙運動 門川京都市長を提訴
京都市が来年3月11日予定の「京都マラソン」(実行委員会主催)に向けて、住民にマイカー使用を自粛する賛同署名を、町内会・市政協力委員などを通じて回覧した問題で、市民有志と「市民ウオッチャー・京都」らは16日、市民の思想・信条の自由とプライバシーを侵し、また門川現市長の選挙事前運動で公職選挙法違反しているとして、門川市長らを相手取り、京都地裁に訴えを起こしました。
署名は、町内会や市政協力委員などを通じて行われ、「住所」「氏名」「台数」について記入するもの。
同市は、同マラソンで大規模な渋滞が予想されるとした上で、「人と公共交通優先の『歩くまち・京都』を門川市政の主要な柱と位置付け、市民・事業者の皆様とともに過度にクルマに依存しないライフスタイルへの転換」とのべ、マイカー自粛の賛同署名を回覧しました。
市民有志と「市民ウオッチャー・京都」は10月にも公費の無駄遣いとして住民監査請求をしていましたが、いずれも却下されていました。
原告の井上吉郎さん(66)は、「賛同したかどうかほかの方にも見られるもので、違和感があった。広報で呼びかけるだけでだめなのか」と批判しました。
「市民ウオッチャー・京都」の幹事で弁護団の畑地雅之弁護士は、「町内の回覧はほかの住民にも見られるもので、プライバシー、思想・信条の自由を侵す。さらに門川市政への支持表明を迫っており、公職選挙法にも触れる。広報活動の域を超えた不正な公金支出だ」と述べました。