メール、フリーペーパーで

 「食品は何ベクレルまで大丈夫?」「もっとデータがほしい」「うちではこうしてるよ…」―講演会(昨年12月)が終わり、会場を出ても子どもを連れたママたちの話は尽きません。
 「放射能から子どもを守る 京都 ママ・パパの会」は、昨年5月に発足。これまで講演会・交流会を10回行い、放射能汚染がれきを持ち込ませない運動、被ばくの基準値引き下げ反対、議員への要請行動など多様な活動を展開してきました。
 情報交流の中心は、グループ内の人とメールのやりとりができる「メーリングリスト」です。330人以上が参加し、毎日数十件のメールがやりとりされています。
 12月初めに送られた女性(左京区)からのメール。「来年から子どもを保育所に預けたいのですが、給食が不安です。左京区で、放射能問題に取り組む保育所はありますか?」
 すると、「AやB園はすごく給食に気を使っていますよ」「私が利用していたC園はすごく良いよ」と、すぐに8件ものメールが返信されました。その他、避難者からの相談、原発事故の詳細な情報、原発デモの日程など、様々な情報が発信されています。
 同会事務局の野寄和佳さん(28)は、「放射能に対してお母さんたちは不安でいっぱい。情報交流の場を提供するのがすごく大事なんです」と話します。
 ネットだけでない情報提供をしようと生まれたのが、フリーペーパー「ほっこり通信」。同会での交流会をきっかけにメンバーを募り、福島県など被災地の住民に向けて、2回発行しています。京都での避難先、放射能・原発事故の情報、京都の支援団体などを紹介し、被災地の住民団体などに約7700部を郵送しました。
 ほっこり通信を作成する南見奈子さん(43)はこう語ります。
 「ネットを使えない人もいるので、紙で情報を伝えるのはすごく大事。通信を見て、避難された方や問い合わせされた方もいます。不安な気持ちのお母さんたちに少しでも情報を伝えて、子どもたちを放射能から守る手助けをしてあげたい」(「週刊しんぶん京都民報」2012年1月1日付掲載)