「清盛の時代」講演スタート 初日に定員上回る275人
京都市考古資料館文化財講座「清盛の時代」(全6回)が1月28日から、京都市上京区の京都アスニーでスタートしました。第1回は「平安宮・平安京の変容」をテーマに山本雅和・同資料館副館長が講演。200人の定員に対して、約300人が訪れ、275人が聴講しました。
同講座は、同資料館と京都アスニーが共催で毎月行っているもので、今回のテーマは同日から特別展示「平清盛─院政と京(みやこ)の変革」(6月24日まで)に合わせて企画されました。
山本氏は、「平安京」から「中世都市・京都」にかけての変容について▽大極殿・朝堂院・内裏など主要施設は維持・管理するものの全体的に衰退・機能停止していった▽市街地の右京(二条以南)がすたれ、左京が繁栄。住居跡がみられなかった左京南部にも街区が形成されていった▽天皇や公卿自ら道路に侵食して邸宅を建設するようになり、条坊制が実態として放棄されていった▽現在の町家につながる小規模の建物群が道路に面して現れた▽中国や朝鮮など遠隔地からの搬入品が増加。手工業や流通経済の発展から国内に特産地が生まれ、商品が平安京に流入していったーことなどを遺跡・遺物をもとに解説。
特別展の企画紹介もおこないました。
講演後参加者は、山本氏のまわりに列をつくり、自らの近所の通りの歴史や名前の由来などについて質問しました。
今後の講演予定は次のとおり。第2回「白河・六勝寺」(梶川敏夫・京都市埋蔵文化財研究所次長)=2月25日、第3回「吉田・岡崎」(内田好昭・同研究所係長)=4月28日、第4回「御室・法金剛院」(小松武彦・同研究所主任)=5月26日、第5回「法住寺殿・六波羅」(田中利津子・同研究所主任)、第7回「鳥羽殿」(前田義明・同研究所課長)=7月28日。いずれも午後2~4時。月曜休館(月曜休日の場合翌日)。無料。問い合わせ先=同資料館TEL075・432・3245。