原発なくそう宇治のつどい 東日本大震災と原発事故から11カ月、「原発なくそう」の運動をより広げようと12日、宇治市で「原発なくそう宇治のつどい」が開かれました。政党や加盟労組、団体、原水爆禁止運動での対立などの立場や考えの違いを超えて幅広い人で結成した「原発なくそう宇治の会」として初の取り組みで、150人が集まりました。
 福井県小浜市で脱原発を訴える中嶌哲演氏(明通寺住職)が講演し、定期点検中の大飯原発3、4号機の再稼動について批判。関西電力がストレステスト(耐性試験)で「妥当」とし、さらに経産省原子力安全・保安院も認めた問題で、「大飯原発は小浜市と最も近いが、京都も若狭の原発群から遠くない。原発の地元として再稼動を許さない声を上げよう」と呼びかけました。
 また、現在稼動中の原発も4月中に定期点検ですべて停止すると指摘。関西では若狭湾の原発群が20日にすべて停止するとのべ、「国民にとっては原発をなくすビッグチャンス。すべての原発に冬眠してもらい、原発のない春を迎えよう」と訴えました。
 福島県や栃木県から同市内に避難した2人が発言。福島県白河市からの宮田陽子さんは「外は20ミリシーベルトと政府の避難基準の数値になっていた。京都も若狭の原発群から近い。私たちが(原発を)止めなければ、国も電力会社も止めない、補償もしない」と述べました。福島県に近い栃木県那須塩原市からの新津八重子さんは、「隣県のことで関心が向けられないけど、放射線量は高い。福島第一原発から95キロも離れていたのに被害を受けた。安全な場所は日本のどこにもなく、原発を止める以外にない。一緒に止めたい」と訴えました。
 参加者らは集会後、宇治橋西詰の交差点付近で「再生可能エネルギーへの転換を」「原発から撤退を」など書いたプラカードを手にアピールしました。