放射線汚染実態の公開を 学校給食集会で専門家強調
東電福島第1原発事故による土壌・食品への放射能汚染が問題となるなか、内部被ばくの影響について17日、医師で岐阜環境医学研究所所長の松井英介氏が講演。放射線物質別の汚染実態を正確に把握し、リアルタイムで公開することの必要性を訴えました。
京都市中京区でおこなわれた「より豊かな学校給食をめざす京都集会」に招かれたもの。松井氏は、内部被ばくは身体中に沈着した放射性物質から長期にわたりくりかえし照射されるもので、おもにアルファー線とベータ線によるものであると説明。
チェルノブイリでの被害実態などもあげながら、ベータ線しか出さないストロンチウム90は、ベータ線とガンマ線の両方を出すセシウム137と比較して300~600倍の健康リスクがあることや、プルトニウム239が放出するアルファ線は遺伝子を損傷・改変し、先天障害や悪性腫瘍(しゅよう)、心臓循環器疾患(しっかん)などの原因になることを指摘。
日本政府や東電への緊急要望事項として▽自然環境中・農水産物・建材の各種放射性物質の全データを調査できる施設の設置と人員要請▽ストロンチウム90や放射線感受性の強い子どもの許容線量限度値の早期設定─などをあげました。
集会では、代表の池田豊氏があいさつし、金井多恵子事務局長が基調報告。「食の安全から学校給食を考える」「学校給食の充実と食育」と題して2つの分科会が開かれました。
(写真=スライド右側の放射線状に移っているのが肺組織の中のアルファー線の飛跡)