つくし ようやく土筆(つくし)がニョッキリと頭をもたげました。厳冬が長く続いた今年の冬もようやく春めき、ツクシも雑草をかき分けて頭をもたげてきました。写真は伏見区の新高瀬川の大手橋付近です。親子でレジ袋いっぱいにツクシを摘んでいます。可愛い子どもは「かあさんみつけた!ここに2つもあるよ」、お母さんは「今年は2週間も遅いです。やっぱり寒い冬が長かったんでしょうね」と話します。
 ツクシ(土筆)はスギナ(杉菜:シダ門トクサ綱トクサ目トクサ科の植物。学名=Equisetum arvense:英名=Horsetail<馬のシッポ>)の胞子茎(または胞子穂、胞子体とも)です。今から約5億年も前の古生代からのいわば生きた化石のような植物です。湿気の多い土壌を好み、土手などで日当たりのよいところに地下茎を伸ばして繁殖します。畑にも繁殖し、難防除雑草でもあります。ツクシとスギナは地下茎で連結しており雨後の暖かい太陽の日を浴びて夕方には5センチ近くも伸びます。
 調理は、まず袴(はかま)を丁寧にはずし(この作業が面倒なんです)、水洗いしてナベに入れて約5分ほど沸騰させる。ツクシの胞子がとけ込んで緑色に変わったら、水切りをします。後は「茶碗蒸し」「お吸い物」に入れてもよし、「ツクシご飯」もよし、砂糖、醤油で煮込んでもよし。少し苦みがある季節限定の懐かしい食べものです。若いスギナも食べられます。ツクシは春の季語。(仲野良典)
「さは摘みし土筆の袴とる夜かな」(小沢碧童)