立命館一時金訴訟勝利 学校法人立命館(京都市中京区、長田豊臣理事長)が教職員の一時金を一方的に減額したのは不当として、教職員205人が減額分の一時金の支払いを求めていた裁判で29日、京都地裁(大島眞一裁判長)は原告の訴えをほぼ認め、のべ約2億2900万円分の支払いを命じる判決を言い渡しました。原告側の勝訴です。
 同法人は2005年、それまで年6・1カ月+10万円分だった一時金について、労使交渉で労組側が合意しないままに1カ月分カット。2006年に京都府労働委員会から誠実な対応を行うようあっせんされ、労使とも受託していましたが、被告は労組の交渉に応じてきませんでした。原告らは「立命館学園一時金訴訟をすすめる会」を結成し、2007年に提訴していました。
 判決は、過去14年間の労使交渉において法人側が「(一時金)6カ月を目指す、6カ月に接近させる」などと発言し、慣行となっていたにもかかわらず、6カ月を下回る支給になったと指摘。「原告らと被告との間で、少なくとも年6カ月の一時金を支給することが労働契約の内容となっていた」と認定。6カ月分相当の未払い分の支払いを命じました。
 また、同法人が学生による納付金を主な収入とするもとで、「財政状態が良好であった」と指摘。「企業経営上、一時金水準を切り下げる差し迫った事情があったとはいえず、当該労使慣行を変更する高度の必要性があったとは認められない」としました。
 判決後、開かれた報告集会で原告団長の木田融男教授は、「それまで労使間の合意を尊重する立命館の民主主義が守られず、理事会が一方的に行ったことに、私たちは一番驚いた。一時金とともに立命館民主主義も取り戻したい。そのため、学園側は控訴せず話し合ってほしい」と訴えました。