橋下「改革」の正体を斬る メーデー前夜祭で講演会
伏見地区労は4月27日、同区役所ホールで「2012伏見メーデー前夜祭!」を開催しました。
同地区労の板東利博議長は、大阪の橋下市長の卒業式での君が代斉唱強要や労組への露骨な憲法違反の攻撃に対し、「今、これと真正面から闘わなければ」と決意表明しました。
記念講演は、龍大の脇田滋教授が「大阪・橋下『改革』の正体を斬る!…バク・ウォンスンソウル市長の姿勢・労働政策と比較して」と題して行いました。
脇田さんは、橋下市長が教育で卒業式唱和強制のみならず大阪市大の「教授会などいらん」といった露骨な攻撃や授業料の大幅アップの一方で、教職員は削減して何が黒字かと厳しく批判。マスコミも橋下市長に同調する報道を繰り返していると指摘しました。
非正規雇用についてヨーロッパと比較し、「ヨーロッパでは同一労働同一賃金は当たり前であり、非正規労働者の方が賃金は良いのですよ。1、2年先が不安定なんだからその分上積みしている」と、産業別労働組合運動が基本のヨーロッパと、企業別でいわば御用組合的な日本の労働組合の根本的な違いや、非正規労働者の権利と待遇を最優先して守るヨーロッパの労働運動などとの違いについて解明。最も苦しい労働者には組合がないという日本の労働組合運動の弱点を指摘しました。
一方、橋下市長の国民・市民の不満の矛先を労働組合に向けさせ労働組合を攻撃し差別分断するやり方は、中曽根氏や小泉氏とダブっていると指摘。非正規労働者との連帯、市民との連帯運動とミニマム重視から労働者全体を代表する連帯した労働組合運動の構築を展開すべきではないかと提起しました。
また、韓国のソウル市長選挙で、非正規労働者の正規化などの労働者保護政策、大学授業料軽減、女性と家族福祉政策、ソウル市民福祉基準の確立などの政策を前面に掲げて当選した朴元淳(バク・ウォンスン)氏の勝利の背景と意義について報告しました。参加者は閉塞的な雰囲気から明日への明るい展望と指針を感銘をもって聴き入りました。
賞品付きの楽しいクイズなどで盛り上がり、閉会のあいさつを述べた同地区労の香川裕一事務局長は「生活相談活動や東北物産店開催など今までも伏見地区労は重視してきたが、今後一層取り組みを強化し、誰でも入れる伏見ふれあいユニオンの組織拡大に力を尽くそう」と締めくくりました。(仲野良典)