橋下市長の狙いは 市民ウォッチャーが講演会
「市民ウオッチャー京都」は1日、京都市中京区のハートピア京都で、立命館大学の森裕之教授を招いて、大阪市の橋下徹市長・「大阪維新の会」の問題点を学ぶ講演会を開きました。
森氏は橋下市長がこれまで行ってきた発言や狙い、「行政改革」などについて経過を追って解説。大阪府・市で行われた「行政改革」の例として、府立高校補助員の雇い止め・学校警備員補助の廃止▽国際児童文学館閉館、交響楽団補助金廃止▽障害者・福祉8団体への補助金廃止▽中小企業振興費のカット▽職員給与削減▽労働組合つぶし、職員アンケート実施▽職員基本条例など職員統制▽教育基本条例─などの事例を紹介し、「府民の教育、文化、住民サービスを切り捨てている」と批判しました。
また橋下氏が公約に掲げた「大阪都構想」について、「『大阪市をなくす』と言っているが、本当の狙いは道州制をつくること。道州制によって各自治体の権限や財源を大阪に集中し、リニアや港湾整備などの大型公共事業を行い、関西財界の要望に合わせた行政を実施することが狙い」と語りました。橋下氏の思想・政策的特徴について、「従来の格差を拡大する新自由主義的な経済成長至上主義。独裁的で、『敵』をつくり出すことによって、ポピュリズム(大衆扇動)政治を行っている」と批判。「橋下氏の弱点は、市民の生活やくらしに基づいた足場がないこと。市民の暮らしに根ざした草の根の活動から行政をチェックしていくべき」と述べました。
同ウオッチャーの中村和雄弁護士が「橋下市長の問題は、今後さらに大きな影響を与えるもの。京都の行政を監視していく取り組みを強めながら、こうした問題について考える企画を今後も開いていきたい」と閉会のあいさつを行いました。