京都会館建て替えに「遺産危機警告」 ユネスコ諮問機関イコモス
京都市の進める京都会館(左京区)建て替え計画について、ユネスコの諮問機関で世界遺産登録の審査を行う「イコモス」(国際記念物遺跡会議、本部・パリ)の「20世紀遺産に関する国際学術委員会」(シェリダン・パーク委員長)はこのほど、「市の計画は建物に対して、後戻りできない害を及ぼす」として「遺産危機警告」を発し「計画の再考を求める」意見書を門川市長に提出しました。日本の近代建築に対する「危機警告」は初めてのものです。
京都会館は、故前川國男氏が設計した戦後近代を代表する名建築。意見書では、建物は「敬意を払われ遺されるべき文化遺産」と強調。「危機警告」で「建物保全の脅威に関する国際的な注意を喚起する」とともに、市に対して「建築物の遺産価値を残すよう」要求しています。
市は、同計画の推進のため、同館第1ホール解体工事着工を9月上旬に計画しています。