申し入れ 京都市が進める京都会館(左京区)建て替え計画について、ユネスコの諮問機関「イコモス」の専門委員会が「遺産危機警告」を発令したことを受け、日本共産党市議団(山中渡団長、15人)は6日、「警告を真摯に受け止め」て、同館第1ホールの解体工事の凍結と建て替え計画を抜本的に見直すよう門川市長に申し入れました。
 申し入れには、山中団長、蔵田共子、冨樫豊、加藤あい、樋口英明の各議員が参加しました。以下、申し入れ全文を紹介します。


【申し入れ】
京都会館の解体工事を凍結し、再整備計画の抜本的見直しを求める
京都市長 門川大作 様

日本共産党京都市会議員団
団長 山中 渡

 ユネスコの諮問機関であり世界遺産の登録の審査や監視活動を担っているイコモス(国際記念物遺跡会議)の「二十世紀遺産に関する国際学術委員会」が、京都会館の解体および再整備計画の内容に「遺産危機警告」を発令し、機関決定をうけて委員長名で市長に対し計画の再考を願う意見書を提出しました。同委員会が、京都会館の文化的価値を認めた上で、「後戻りできない害をとても重要な財産にあたえる」とし「現プランの再考」を求めていることを、市長は真摯に受けとめるべきです。
 京都市はこれまで、京都会館再整備事業について、現在の京都会館の建物価値を継承したものにすると説明してきました。ところが、実際に示された基本設計に対し、京都弁護士会は「継承されるべき建物価値は反映されておらず、新たな要求性能には応えたものの、結果として京都会館の歴史的価値を喪失する再整備基本設計」と指摘し、DOCOMOMO(モダン・ムーブメントにかかわる建物と環境形成の記録調査および保存のための国際組織)日本支部は「京都会館の過半を占める第一ホールを解体除却した上で、建物価値が継承されるという考え方を容認できない」と指摘し、計画の見直しを求めています。
 京都会館を含む疏水一帯の景観は、京都市民にとって大切な財産であるだけでなく、世界に誇るべきものです。京都市が、琵琶湖疏水一帯を世界遺産に追加登録するように政府に支援を要請している最中であり、この意見書の意味は大変重いものです。よって、日本共産党京都市会議員団は、以下のことを求めます。

一、ユネスコの諮問機関であるイコモス・二十世紀遺産に関する国際学術委員会の「遺産危
機警告」をうけ、京都会館の解体工事を凍結すること。
一、京都会館再整備計画を抜本的に見直すこと。

以上