橋下「日本維新の会」の危険〈上〉 (3)住民サービス
橋下徹大阪市長が率いる「大阪維新の会」が12日、大阪市内で政治資金パーティーを開き、7人の国会議員を集めて急造した国政政党「日本維新の会」の結成を宣言しました。
橋下氏のめざすものと同会の実態について、京都の各団体関係者の危ぐの声を紹介します。
橋下氏のめざすものと同会の実態について、京都の各団体関係者の危ぐの声を紹介します。
橋下氏は、大阪府知事時代は「大阪維新プログラム」「府財政構造改革プラン」、大阪市長として「市民はいたるところでぜいたくな住民サービスを受けている」と「市政改革プラン」を打ち出し、「改革者」のポーズで暮らし、文化を破壊してきました。
異質な姿勢で切り捨て
京都自治労連書記長・田村治子さん
公務員削減や府民・市民向けサービス切り捨てで生まれる財源を大型開発事業に投入する橋下氏の手法は、庶民増税と社会保障費削減、規制緩和で財界・大企業の利益に奉仕した小泉「構造改革」路線を装いを変えて、よりいっそう強権的に進めるものです。
これまでも、大規模な自治体リストラを行う首長はありましたが、住民サービスを「ぜいたく」と言ってはばからない姿勢には異質なものを感じます。“財政難からやむにやまれず”というのではなく、住民サービスそのものを敵視する立場で、住民福祉の向上を基本とする地方自治体の役割を正面から否定しています。「自己責任」「競争」「集中と選択」といった言葉に象徴される新自由主義がむき出しで表れているかのようです。
同時に、公務員を憲法が定める「全体の奉仕者」ではなく、「国民への命令者」であり「首長の下僕」へと変質させる特異な考え方は、一見公務員攻撃のようで、実際の矛先は住民の福祉、暮らしに向けられており、「市政改革プラン」と一体のものだと思います。
自治体職員を志す若者は、「住民のために働きたい」と考えています。しかし、橋下氏の手法はこの願いを根底から覆すものです。(「週刊しんぶん京都民報」2012年9月23日付掲載)