橋下「日本維新の会」の危険〈下〉 (6)君が代強制・口元チェック
橋下徹大阪市長は新党「日本維新の会」を28日にも結成しようとしています。衆院選を焦点にした国政進出が狙いです。橋下氏のめざすものと同会の実態について、〈上〉に続き、京都の各団体関係者の危ぐの声を紹介します。
大阪の府立高校の校長が、卒業式で「君が代」斉唱時に教師の口元をチェックする―という事態が生まれました。「維新の会」が府議会で強行した「君が代」起立強制条例を受けてのことです。「維新八策」では、「大阪府・市の教育関連条例をさらに発展、法制化」を掲げており、「君が代」の口元チェックや、教育行政基本条例などが全国で実施される事態になりかねません。
“強制”の教育やめて
京都市左京区の元小学校PTA本部役員 2児の母親
大阪で校長先生が「君が代」斉唱しているか口元をチェックするという話を聞いて驚きました。誰のために卒業式をしているのでしょうか。私の息子の卒業式では、あたたかく生徒を送り出してくれる雰囲気で良かったのですが、「維新の会」が政権をとり、先生が校長の顔色をうかがってビクビクするような式に変わるのはイヤです。
息子の小学校の入学式の時に「君が代」斉唱があり、私は起立しなかったことがあります。「親の判断で、子どもに迷惑がかかるかもしれない」と夫に言われ、仕方なく起立するようにしましたが、「君が代」の起立・斉唱を強制する雰囲気は苦手です。教師だけでなく、生徒や保護者にも「上からの命令」を強制する雰囲気があると思います。
長男は高校生ですが、学校選択や進学での競争的な雰囲気が苦手なようです。部活など学校生活を楽しみたいのに、1年生の時から文系・理系など進学コースの選択を迫られ、大学受験の準備が始まっています。
「維新の会」は、こうした学校選択などの競争をさらに強化させるそうですが、これ以上子どもたちにストレスを与えてどうするのでしょうか。もっと子どもたちが生き生きと自由に過ごせる学校を作ってほしいと願っています。(「週刊しんぶん京都民報」2012年9月30日付掲載)