大阪市の橋下徹市長が結党し、国政進出を狙う「日本維新の会」。次の総選挙で重大争点となる4つの課題で、同会はどういう立場をとっているのか。国政政策と実態について、各界の人が疑問と不安、怒りの声をあげています。

 「維新八策」では、地方交付税の廃止とセットで「消費税の地方税化」を掲げています。消費税を「地方税化」しても、地方交付税を廃止すると13兆円の大穴が開くことから、橋下氏は「当面の税源不足を補う増税はあり得る」(9月13日の記者会見)と明言。「地方税化」を理由に消費税増税を迫っています。

庶民の苦しみ知らない

中京区・天神御旅商店会会長、薬局経営 土井廣明さん

 いま消費税増税しても、消費・景気が悪化するだけです。増税には反対です。
 民主・自民・公明の与野党がいっしょになって増税法案を強行したことは許せません。景気が悪くて苦しんでいる中小企業や商店街の状況を分かっているのでしょうか。
 多くの国民が今の政治に不満を持っていますし、これまでにない新しい政治が生まれることに期待しています。その中で、「維新の会」が注目されていますが、結局、増税路線では自民・民主と同じで、政治を変えてくれるようには思えません。
 「維新の会」は、中小企業など庶民の暮らしの実態を見て政策を考えているようにも思えません。一番不安なのは、だれのためにどんな政治をやりたいのかさっぱり分からないことです。むしろ、橋下氏の一声で庶民の暮らしを変えてしまう危機感も感じています。
 国の財政を立て直さないといけないのは分かりますが、いま増税してもむしろ税収は下がるだけだと思います。景気や雇用対策、震災復興など、今の暮らしを立て直す施策こそ必要です。
 景気の落ち込みや、高齢化などで、商店会の店舗数も激減し、大変な状況です。消費税増税に頼らない政治勢力が大きくなることを願っています。(「週刊しんぶん京都民報」2012年10月7日付掲載)