被爆2世・3世の会 広島、長崎で被爆した祖父母や親たちの体験を次代に語り継ごうと、「京都『被爆2世・3世の会』」が20日、結成されました。同日、京都市左京区の京都教育文化センターで行われた結成の集いには、府内の被爆者、被爆2世・3世ら65人が参加しました。
 
 京都原水爆被災者懇談会の永原誠・世話人代表があいさつし、1965年に発足した同懇談会が被爆者の命と健康を守り、原水爆のない世界をつくる活動に取り組んできた歴史を振り返り、「私たちの運動を引き継ぐ、『2世・3世の会』の誕生を喜びたい。肉親の被爆体験を世界に語り伝える工夫、私たちの世代でできなかった核兵器のない世界の実現、未解明の2世の健康被害の調査に取り組んでほしい」と語りました。
 呼びかけ人の一人で、母親が広島で救護被爆した被爆2世の井上哲士・日本共産党参院議員は、「被爆体験を話してくれたのは私が30歳を過ぎてからでした。直後の苦しみだけでなく、長い間心の痛みも押し付ける原爆の恐ろしさを実感しました。今の政治が核兵器廃絶に背を向けているなか、今日を機にもっと声を上げていきたい」と話しました。
 自身も被爆2世で、2003年から全国で被爆者の子や孫を取り続けているカメラマンの吉田敬三さんが記念講演し、撮影した108人全員の写真を紹介しながら、「撮影した半数は、直接体験を聞いていませんでした。今、親の世代となっている2世には、3世、4世に伝える責任があります。1世の方には、もう1度、子に語ってほしいし、2世は親と向き合い話を聞いてほしい」と訴えました。
 集いでは、「会」の目的、運営規則、世話人を決めるとともに、府内の被爆者、被爆2世の「体験集」をまとめることや被爆2世健診にがん検診を加えることを国・府に求めることなどを盛り込んだ活動方針を採択しました。