TPP参加に反対いのちと暮らしを守る講演会 「TPP参加に反対 いのちと暮らしを守る講演会」(実行委員会主催)が21日、南丹市日吉町の遊YOUひよしで行われ、農民や労働者、女性ら250人が参加しました。
 森茂実行委員長があいさつし、多くの犠牲を払ってできた日吉ダムで口丹波の安全安心の農作物ができるようになったことを述べた上で「TPP参加は私たちの努力をすべて無駄にしてしまうもの。大きな運動に広げて、何とか参加を阻止しよう」と呼びかけました。
 鈴木宣弘東京大学教授が講演。鈴木氏は野田首相が参加表明をしないことでTPP問題が動いていないと見るのは間違いで、すでに水面下で既成事実化が進められており、「政府による国民無視の勝手な暴走を一日も早く止めないと国が持たない」と指摘。米国から自動車や郵政、BSE(狂牛病)などの規制緩和に関する懸案事項に対し、昨年10月に狂牛病の基準緩和を表明し、かんぽ生命の「がん保険」への新規参入を見送るなど水面下の条件提示で国民にはあいまいにしたまま参加承認にこぎつけようと必死に交渉しているとのべ、「1部の官僚と1部の政治家による徹底した情報操作とウソはあまりにひどい」と告発しました。
 鈴木氏は、TPPよりもASEAN+3(日中韓)によるFTA参加の方がGDP増加率は2倍になるという数値を示し、アメリカいいなりで関税も国内制度も明け渡してまで利益の少ないTPPに入るメリットはないとして、「もっと柔軟で互恵的な貿易拡大につながるアジアの中でこそ生きていく道がある。自分たちの食は自分たちで守るネットワーク作りや安全な食べ物によって結びつく生産者と消費者のつながりこそが強い農業を作って行く。1人でも多くの人に情報を広げ、TPP反対の輪を広げよう」と」呼びかけました。
 参加者から、「どうして反原発のような運動に広がらないのか」と質問が寄せられ、鈴木氏は「アメリカと一部の財界にもの申す反原発のたたかいと根っこは同じなのでTPPを組み合わせて同じ日に行動がやれないものかと思っている。皆さんも一緒に考えてほしい。そして政党の枠を超え、大同団結して総行動がとれるように議員らに訴えて欲しい」と答えました。
 実行委員会の井尻勇助事務局長が「実行委員会は今後も運動を広げていくため、TPP反対口丹連絡会として立ちあげて行きたい」と述べました。
 講演会に先立ち、地元の女性でつくる「ル・スヴニー」によるアカペラが披露されました。