オスプレイ飛行訓練でドクターヘリ運航不安広がる
「危険なオスプレイが府民の救急救命を担うドクターヘリの空域に入ってくる」―こんな不安の声が上がっています。米海兵隊機MV22オスプレイの沖縄配備にともない、米軍は山口県から兵庫県までを貫く米軍低空飛行訓練ルート「ブラウンルート」も同機飛行訓練の範囲であることを明言。同ルートは、京都府と兵庫、鳥取の3府県をまたいで運航するドクターヘリの運航範囲内を走ります。
医療担うヘリ府内にも被害
「ドクターヘリは豊岡病院にある1機のみ。もしも危険なオスプレイと事故を起こしたら、兵庫だけでなく、京都府内の医療にも大きな被害が生まれます」
こう指摘するのは、日本共産党の岡田和之・兵庫県朝来市議。岡田市議は、同市議会でオスプレイ飛行訓練の危険性を指摘し、米軍低空飛行訓練をやめさせるよう求めています。
ドクターヘリは、公立豊岡病院(兵庫県豊岡市)を拠点として、府内では綾部、福知山市以北の北部5市2町で運航。昨年は府内で213件の出動要請があり、南丹市の南丹病院や京都市の京都第一赤十字病院にも患者を搬送しています。
丹後の地域医療問題に取り組む、丹後社会保障推進協議会の山本忠男事務局長は、「京丹後や府北部は医師不足で救急医療体制が整っていません。ドクターヘリは丹後でもよく見かけますし、救急医療で命を守る役割を担っていると思います。あれだけ『危険だ』と沖縄の人が声を上げているオスプレイがドクターヘリの空域に入るのは絶対にやめてほしい」と話します。(「週刊しんぶん京都民報」2012年11月11日付掲載)