教育院構想抗議署名 京都大学が設置を検討している「国際高等教育院構想」に、学生が「学生の意見を聞かずに進めるな」との声をあげています。19日には、京都大学の5カ所で、約50人の学生が、教育院構想へ抗議する署名活動を行ない、1時間で633人分の署名が集まりました。
 抗議書では、京大が教育院構想を学生・教員への事前説明や意見聴取をしないまま進めていることについて、「学部自治及び本来重んじられるべき学生の自主性の否定」だとして、教育院構想の凍結と撤回を要求し、11月26日までに大学からの回答を求めています。この抗議書には、留学生約70人も署名しており、「グローバルな人材育成」を進める構想が、その根底から揺れ動いています。抗議書と署名を受け取った学務部学生課は、「赤松明彦学生担当理事に伝える」と述べました。
 教育院構想で教員約30人の移動が求められている理学部でも、理学部自治会評議会の主催する説明会が行われ、約50人の学生が参加しました。学生から、教育院構想への立場を問われた山極壽一理学研究科長は、「設置そのものには賛成」としながらも、「科目や中身が決まっていないのに、教員数等を先に決めるのは前後が逆。200人規模の専任教員を中心とした組織はナンセンス」だと述べました。参加した学生からは、「この議論で一番抜け落ちているのは学生の意見だ」と厳しい意見が出ました。(椥原正)