コンビニ題材、アートを日常に ギャラリーKUNST ARZT
コンビニエンスストアの商品や備品などを題材にしたアート作品を展示する企画展「美術なコンビニ」が京都市東山区のギャラリー「KUNST ARZT(クンストアルツト)」で開催中です。12月2日まで。
画廊代表で現代アート作家の岡本光博さんが海外での制作活動の経験から、「アートと日常に一線を画している日本の状況に一石を投じたい」と、現役の美大生含め関西在住の若手作家5人に呼びかけて開いたもの。
画廊をコンビニに見立てた「店内」(展示室)には、定番商品のカップ麺のカップやふた紙に元のデザインや印刷文字を損なわないよう巧みに刺繍を施した作品(池田慎「デコレーション」)や本物の陳列棚に菓子類のパッケージだけを並べた作品(榎本奈々子「皮」)、高級なスワロフスキーをあしらったコンビニ袋(タカスカナツミ「エコバックほしい」)などいずれも身近さゆえにユニークな「アート商品」が並びます。また、コンビニの存在を認識させる、自宅からの距離と徒歩時間を入れた写真作品(木村彩乃「あたしとあなたの距離」)が紹介されているほか、入「店」ごとにファミリーマートの音楽が流れる仕掛けもあります。
会期中は、ネットオークションで入手した本物に手を加えた制服(ローソン)を着て「コンビニ店員」に扮する岡本さんは、「日本のアートシーンでは企業の商標や意匠を題材にすることを敬遠する風潮がありますが、いずれも意欲的に取り組んでいる作品です」と話しています。
「KUNST ARZT」は三条通神宮道東北角2F。12時~19時(最終日は17時まで)。月曜休廊。問い合わせTEL090・9697・3786。