小笠原諸島の「欧米系島民」を学ぶ
江戸時代に欧米から小笠原諸島に入植した「欧米系島民」と呼ばれる人々の歴史を学ぶ講演とドキュメンタリー映像の放映会(山城社会科研究会主催)が15日、京田辺市で開かれました。講師は立命館宇治中学・高校校長のチャールズ・フォックス氏。映像は二男の雅彦・室谷・フォックス氏が製作中のものです。
「欧米系島民」は1830年(天保元)以後、欧米やハワイから入植し、同島が日本領(1876年~)になると日本人に帰化させられた人々。
同島は戦後、1968年までアメリカの統治下に置かれ、欧米系島民だけが居住を許されました。公用語は英語でした。
歌人で北原白秋の研究者でもあるフォックス校長は、白秋が一時期移り住んだ同島を訪れた際「欧米系島民」の存在を知り、講演のテーマに選びました。太平洋戦争で日本兵として米兵とたたかわなければならなかった人々の悲劇についてふれ、「『欧米系』移民の歴史は日本人も米国人も知らない。もっと教育の場で教えて欲しい」と訴えました。
映像は「ザ・ネイビー・ゼネレーション(米海軍世代)」のタイトルで、米軍統治下で英語教育しか受けてこなかった世代にスポットを当てています。
参加者は「移民の歴史は知らなかった。学校で教えていきたい」、「国家とは何か、国民とは何かを考えさせられた」などの感想を語っていました。