危険な米軍「Xバンドレーダー」配備計画 ミサイル防衛の最前線基地に
京丹後市丹後町の経ヶ岬。周辺の日本海に面する岸壁には立岩や丹後松島など、国定公園に指定された雄大な風景が広がります。
巨大なアンテナが目立つ空自経ヶ岬基地は、庁舎地区と、約5.5キロ離れた岳山(標高451メートル)の頂上にあるレーダー地区に分かれています。同基地ホームページでは、「日本海正面の空の防人として隊員が昼夜にわたり勤務。監視業務では、暗い室内の中で、隊員が24時間体制で、レーダースコープの画面に映しだされた航跡を追い続けています」としています。
突然の米軍レーダー配備計画に、経ヶ岬のある宇川地区(650戸、1662人)の住民からは次々と不安の声が出されます。
50代の女性は、「突然降って湧いたように配置が決まって、驚いています。いったいこの集落がどうなるのか。沖縄の米軍基地の事件や、電磁波による健康被害などを考えると不安になります。きちんと説明してほしい」と話します。同地区の男性(60代)は、「テロや攻撃などが起こり、集落が巻き込まれたら困る。近所の人たちも不安がっている」と声を上げます。
京丹後市の中山泰市長は2月26日、説明に来た防衛省事務次官に対し、「住民の皆さんの安全安心の確保が第一。地元としては到底分かりましたと言えない」と述べ、住民の健康や生活に関する説明を求めました。
京都府は同月26日、防衛省に対し、「確認事項」として(1)レーダーの強力な電磁波による健康上問題はないのか(2)道路交通上の安全確保や住民生活への影響(3)風評被害などによる農作物などへの影響(4)管理・運営のための人員はどのような関係者なのか(5)関係者の住居や治安維持対策(6)今後の住民への説明―などの回答を求めています。
経ヶ岬に隣接する伊根町は同月28日、健康被害や道路交通、漁業・農業への影響などについて防衛省の説明を求めるよう府に要望しました。
京丹後市への米軍Xバンドレーダー配備は、米軍の「ミサイル防衛システム」に組み込まれるもので、京都が米国の先制攻撃のための最前線基地となる危険性があります。レーダーを配備することは東アジアの緊張を激化させるものでしかありません。
また、レーダーの電磁波によって人体への危害や通信、住環境への影響も心配されています。
日本海に面し、自然豊かな京丹後・経ヶ岬を米軍施設にさせるわけにはいきません。京都に米軍基地を作らせないため、全力を尽くします。