元実習生提訴　外国人技能実習制度でバングラデシュから来日したべガム・ラベアさん（24）＝八幡市＝が３日、低賃金で長時間労働を強いられたとして、長崎県の衣料品縫製会社「サンシャイン」など３社と経営者を相手に、未払い賃金と慰謝料など約870万円の損害賠償を求めて京都地裁に提訴しました。
　訴状によると、ラベアさんは2011年11月に来日し、昨年７月まで縫製作業に従事。作業はほぼ毎日午前８時から深夜・未明までになり、毎月400時間を超える長時間労働が強制されたとしています。残業は月200時間を超え、厚労省が定める「過労死ライン」である「月80時間以上の時間外労働」を大幅に超えていたもの。
　月給約10万円から、社長と仕事の仲介人のバングラデシュ人に差し引かれたため、手取りは約１万円で、最低賃金を大幅に下回っていました。未払い賃金は、長崎県の最低賃金（１時間646円）で計算すると265万円になるとしています。
　会見したラベアさんは、待遇改善を会社に訴えると、強制帰国させられそうになり、知人を頼って八幡市に移ってきたと話し、「夢を持って日本に来たのに。つらかった」と声をつまらせました。
　同席した代理人の中村和雄、諸富健両弁護士は、最低賃金法等の適用を認めた外国人技能実習制度改正（10年７月）後、最低賃金法違反を争う提訴は初めてのものだと話しました。

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