田中邦生・共産党市議 京丹後市議会の基地対策調査特別委員会のメンバーは、11、12日、Xバンドレーダーが配備されている青森県つがる市車力の米軍基地を視察。日本共産党からは私と森勝議員が参加し、調査しました。
 北朝鮮のミサイル発射が危ぐされる緊張状態の中、米軍基地の警戒レベルは最高であり、「米軍基地の駐車場にも近づけない。基地視察は中止」と連絡がありました。
 しかしその後、視察の許可が出て米軍基地に入ることが出来ました。Xバンドレーダーから駐車場まで約400㍍。仮に、経ヶ岬でこのような事態になれば尾和・袖志集落は「近づけない地域」に入り、国道178号線は通行止め寸断されるのではないでしょうか。

立地条件違う

 米軍レーダーの東側には自衛隊基地があり、さらに防風林で囲まれた10㌶規模の砂丘農地区画がいくつも広がった先に、民家があるという立地条件でした。経ヶ岬に置き換えると、民家の目の前に米軍基地がひろがる事になり、車力とはまったく条件が異なります。
 農作物被害や健康への影響については環境調査が最も重要であり、レーダー配備にあたって実施することになっています。しかし、その質問には、「つるが市は知り得る立場にありません。国に聞いてください」との事でした。環境調査の具体的な調査結果やデータなどが公表されてこそ正しい判断が出来るのではないでしょうか。
 レーダーの前方と上空は飛行制限区域になっています。基地近くでおきた海難事故で捜索ヘリが電波発射を理由に飛行禁止になったことなどを質問しました。市側は、市長が自衛隊へ解除を要請し、自衛隊から米軍へお願いするということでした。国際情勢が緊迫するなど、米軍の判断次第で解除されないことも起こります。
 レーダーが配備されてから、交通事故や女性宅への不法侵入、飲酒による暴力など16件の事件・事故が発生しています(田中議員調べ)。その都度、つがる市長が米軍に綱紀粛正を求めましたが、後を絶ちません。基地の警備は民間警備会社が行い、軍人でなく軍属扱い。夜間外出禁止令は軍属には適用されません。米軍基地があるが故に起きている事件・事故ではないでしょうか。

危険を肌身で

 車力では自衛隊基地が配備(1980年)されると同時に、防衛関連交付金や防衛省補助事業などが該当し、住民の意識も基地に依拠した考え方が非常に強いと感じました。
 車力での視察を通じて、危険を肌身で感じると共に不安が高まったというのが感想です。車力や沖縄のたたかいと連帯し、経ヶ岬への米軍基地配備を許さず、米軍基地に頼らないまちづくり、平和を守り地域を大切にする政治の実現こそ必要ではないでしょうか。(「週刊しんぶん京都民報」2013年4月21日付掲載)