ブロッコリー 京都市南部に位置する巨掠池干拓田の宇治川附近の畑でブロッコリーの黄金色にかがやく花が一面に咲いています(写真)。
 同干拓田は京都府府下では貴重な圃場です。水田の畑化やビニールハウスなどもつくられ、さまざまな近郊野菜がつくられるようになりました。畑でソラマメの手入れをしている農家の女性は、「私の父も畑仕事ができなくなって、サラリーマンの私が日曜日などに畑仕事をしています。だから、見ての通りとてもとても手がまわりません」と話します。高齢化が進み跡継ぎがいなくなり、栽培した野菜の取り入れもままならない田圃や畑はどうなるのか心配です。
 ブロッコリー(Brassica oleracea var. italica)は地中海原産で1900年代にアメリカで栽培され急速に広がり、今や世界の90%はアメリカ産と言われています。カリウム、ビタミンAや鉄分などがいっぱい含んで抗ガン作用もある健康食品で日本でも日常的に広く食べられるようになりました。
 ところで、附近には収穫されないダイコン、カブラ、ハクサイ、キャベツやチンゲンなどが大きくなって、同じく黄色いアブラナ属の花(アブラナ属でブロッコリーと兄弟のアブラナ[菜の花]とほとんど同じような花です)が咲いています。家庭菜園で栽培されているゴーヤ、キュウリ、ナスやトマトなどの花は知られていますが、ダイコンやブロッコリーなどアブラナ属の野菜はスーパーなどでしかお目に掛かりませんから、大きく成長した花はほとんど知られていません。どんな花が咲いているのか、ちょっと探索するのもおもしろいですね。マメ科のソラマメの紫の小花やアオイ科の薄緑の大きなオクラの花などもとても綺麗です。(仲野良典)