中学給食を考えるつどい 京田辺市で1日、「中学校給食を考えるつどい」が開かれ、約20人の市民が参加しました。「中学校給食の実施を求める会」と「より豊かな学校給食をめざす京田辺の会」の主催。
 名古屋芸術大学教授の新村洋史さんが、学校給食の歴史やその意義、食育の重要性について講演しました。新村氏は、圧倒的多数の都市では中学給食が実施されており、京田辺市教育委員会の態度は遅れていると指摘。食育とは、知育、体育、徳育と並立するものではなく、その全部に通ずるもので、教育の基礎という位置付けだと述べ、「食育の基本は給食であり、それを生きた教科書として学ぶことが必要だ」と話しました。そして「自分の頭で考える生活実体験の貧困さを克服するために、子どもたちが自ら考えて献立を作り、それを実際に給食で提供する取り組みが広がっており、中学給食の自校調理方式が求められている」と強調しました。
 2010年12月に京田辺市議会で中学校給食の実施を求める請願(全会一致で趣旨採択)に取り組んだ保護者があいさつで、「なぜ京田辺市では中学校給食がないのと疑問に思い取り組んだ。これからも大人の責任として子どもたちにいい給食を提供できるようかかわっていきたい」と述べました。
 
 交流では「市教育部長に新村先生の話を聞いてもらえば良かった」、「中学生になった子どもたちがイライラすると話していた。朝食の時間もばらばらで食生活の乱れがあったと思う。食生活の大事さをきちんと教えてほしい」、「子どもにアレルギーがあり、小学校給食で苦労している。アレルギー対応はこれからの課題だと思う。給食は弁当より楽というだけでなく、こんなに素晴らしいものなのかと思った」などの声が出されました。
 日本共産党の水野恭子市議が、請願の趣旨採択を受けて教育委員会が設置した「中学校昼食等検討委員会」の問題点などにふれながら、同委員会がコストを理由にして中学校で給食ではなく選択式デリバリー弁当方式の導入を提言したことについて、「みなさんと一緒に考えていく運動が大事。中学校給食には食べ残しやアレルギー対策、時間割の変更、給食費納入など課題もあるが、そういうことを子どもや保護者、教員などみんな一緒に考えていくのが食育ではないのか。議会でも取り組んでいきたい」と述べました。(青木綱次郎)