「禍根を残すな」 元映画助監督、自宅に張り紙
「米軍基地設置反対、未来に禍根を残すな」―京丹後市峰山町の元映画助監督が、自宅の壁に基地建設反対を訴える張り紙をしています。
峰山町出身で約10年前に横浜市から帰郷した高根美博さん(64)。峰山高校卒業後、約40年間にわたり東京で映画関係の仕事につき、助監督として10作以上製作しました。
5月10日に峰山で行われた防衛省の説明会に参加。同省の説明では、日米安保や地位協定で守られた米軍基地の“特権”が明らかにされていないと感じ、「基地ができてしまえば、住民にはどうすることもできないという点を、広く知らせなければと思った」と語ります。
横浜市緑区(現青葉区)で77年9月、米海軍空母「ミッドウェー」の艦載機が墜落し、9人が死傷する大惨事を目撃しました。現場は自宅から1キロ足らず。ごう音がとどろき、家が揺れて、「一歩間違えれば自分が」と恐怖を感じました。黒煙が立ちこめる中、人混みをかき分けて住民がけが人を搬送していました。後に、脱出したパイロットは自衛隊ヘリで基地に収容され治療を受けたことを聞き、「日本人の命より米軍が優先されるのか」と怒りが込みあげました。
映画の撮影で訪れた沖縄では、子どもの遊び場の横で米軍戦車が演習する実態に驚きました。「基地があることで、日常的に危険にさらされている」。
15日の基地設置反対の丹後集会を心待ちにしています。「集会を機に、大きく反対の声が広がることを期待しています」。(「週刊しんぶん京都民報」2013年6月9日付掲載)