日本の文化政策転換を

ギャラリー「マロニエ」ビルオーナー 西川勲さん

 58年に開廊、89年現在のビルに、現代の美術・工芸の発表の場として、運営しています。
 今の政治で、最も気になるのは文化政策です。世界と比べ日本の文化の状況は非常に貧しい。日本の国立美術館7館の職員数合計334人に対し、海外ではニューヨーク近代美術館1館で600人、ルーブル美術館は2000人、大英博物館で1000人です。日本の文化に対する予算はあまりにも少なすぎます。
 国の予算だけではなく、現代の美術を評価し、購入する人も減っています。芸術を楽しみ、評価する文化が育っていません。
 その原因が教育現場で、グローバル化・競争の中でどうやって勝ち抜くかということが強調され、文化や個性を生かす教育がされていないからではないでしょうか。また、非正規雇用、貧困が広がる中で、一般の人に文化を楽しむ余力がないことも大きな問題です。
 アベノミクスなどはその最たるもので、利益を受けるのは一部の企業だけです。自民党の続けて
きた政治や教育を大きく転換してほしいと思っています。(「週刊しんぶん京都民報」2013年7月14日付掲載)