真っ赤なザクロ 連日猛暑日がつづく京都伏見区京町通りに面している民家の庭先に真っ赤なザクロの花が咲いています。
 ザクロ科ザクロ属。原産地はトルコ、イラン、アフガニスタンなどからヒマラヤ山地に至る西南アジア。学名Punica granatumはラテン語のmalum punicum〈カルタゴのリンゴの意味〉に由来しにヨーロッパに伝わりギリシャ神話やエジプト神話にも登場し、インドでは釈迦説法にも登場するなど各国で民族神話などに登場しています。中国では紀元3世紀頃に渡来し、石榴(柘榴=呉音でジャク・ル)と漢字表記します。日本には923年に中国から渡来したらしいです。
 和名は安石榴(別名に塗林、若榴、佐久呂などとも)。東北や北海道での栽培は困難とのことです。ザクロの種類は主に花を観賞する花ザクロ、実を食べる実ザクロと全体が小形の矮性のヒメザクロなどがあり、また一重や八重(結実しない)など多くの園芸種があります。果実は古くから各民族で多用され、ザクロジュースと清涼飲料水の原料やシロップ、サラダドレッシングやデザートなどに利用されています。樹皮や果皮は乾燥させて駆虫薬にしたり、煎剤にして下痢や下血、口内炎やうがい薬とも用いられていましたが科学的には確認さてれてはいないようです。(仲野良典)
「女(め)の童(わらわ)あかき石榴を掌(て)に置きて ゐやまひ正し九九をこそよめ」(北原白秋)