国民会議報告は社会保障版解釈改憲 京都社保協総会で二宮氏
二宮厚美神戸大学名誉教授が19日、京都市内で講演し、医療・介護を中心に負担増と給付削減を打ち出した政府の社会保障制度改革国民会議の報告書について、「生存権保障を規定した憲法25条をないがしろにする社会保障版の解釈改憲だ」と批判しました。
ラボール京都(京都市中京区)で行われた京都社会保障推進協議会の第35回総会の記念講演。同国民会議は、昨年8月に自民・民主・公明3党が消費税増税と一体で強行した社会保障制度改革推進法に基づいて設置されました。二宮氏は、「推進法」が社会保障のあり方を「自助・共助・公助の最適な組み合わせ」と転換したことによって、社会保障が生活全般を公費で支えるものから、万一の病気や災害などリスクに備える“保険”に変質させられると指摘。
保険原理のもとでは、たとえ消費税増税による税収増があっても枠組みの維持に使途が制限され、保険料負担の軽減やサービス拡充にはつながらないと述べ、「安倍首相は、日本を世界で一番企業が活動しやすい国にすると異常な目標を掲げています。国民の生活を守るために総反撃しなくてはいけない」と呼びかけました。
総会では、「憲法25条をいかす運動を京都全体に広げよう」をスローガンに医療、介護、保育など社会保障総改悪の中止や地域社保協運動の活性化などを盛り込んだ運動方針を採択。新議長に渡邉賢治氏(京都府保険医協会)を選出するなど役員体制を決めました。